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2017年6月22日に国内諮問委員会第十回会合が日本財団にて行われました
開催レポート GSG-NAB会合
今回の委員会より新たに株式会社みずほ銀行の有馬執行役員、新経済連盟の三木谷代表理事、全国コミュニティ財団協会の深尾会長の三名の方に委員として参画頂くこととなりました。

当日はまず初めに社会的投資推進財団の工藤よりGlobal Social Impact Investment Steering Group(GSG、旧G8社会的インパクト投資タスクフォース)の最新動向について報告がありました。 GSGは現在ボランタリーなネットワークから本格的に組織化していく過渡期にあります。ロナルド・コーエン卿が引き続き議長を務めますが、2017年1月から新たにAmit Bhatia氏がCEOに就任、事務局でもフルタイムスタッフ数名を採用しさらに充実した活動を行っていく予定です。2020年までに加盟各国で社会的インパクト投資を発展・成長させていく為の具体的なゴール・KPI も発表予定です。


次に、自民党の伊藤達也衆議院議員から自民党の社会的事業に関する特命委員会が取り纏めたソーシャルベンチャー市場拡大に向けた第一次提言について発表がありました。社会課題解決に取り組む24の企業やNPOのヒアリングを行った結果を踏まえて纏められたソーシャルベンチャーが特に直面している収益性・プロフェッショナル人材の確保が構造的に困難なこと、透明性の高い事業管理ができない、といった課題について説明されました。それに対し、過去に国内諮問委員会でも検討を重ねてきた社会性認証制度やソーシャルインパクトボンドの他、特区の活用等を含む具体的な提言内容が紹介されました。参加者も交えた質疑も多く行われ、今後提言内容の深堀を行う上での具体的な論点や連携の可能性などについても議論されました。

【関連資料】
・社会的事業に関する特命委員会 第一次提言〜ソーシャルベンチャー市場(社会的事業)の拡大に向けて〜(要点)
・社会的事業に関する特命委員会 第一次提言〜ソーシャルベンチャー市場(社会的事業)の拡大に向けて〜(本文)


続いて、厚生労働省社会保障担当参事官室、野﨑伸一企画官よりソーシャルインパクトボンドを活用した社会的事業の開発・普及のための環境整備事業の紹介がありました。厚労省では健康づくり、生活困窮者施策、児童福祉施策等の領域でソーシャルインパクトボンドを活用した新たな取り組みを進めやすくするようモデル事業を実施予定です。実際に本格導入する場合には当該予算が成果に対する支払いに使用される可能性もあり、資金提供者・行政・事業者を巻き込んだコンソーシアムの形成が推奨されているとのことです。

その後、2015年に国内諮問委員会が発表した7つの提言のうち①休眠預金活用、②ソーシャルインパクトボンドの推進、③社会的インパクト評価推進、の3つについて最新状況の報告と議論がなされました。

休眠預金活用については鵜尾委員より5月に設立された審議会で休眠預金活用の為の基本的な設計の議論が進められており、2019年末までに基本方針をまとめていくとの報告がありました。出資・融資による支援の実施方法や革新的な取組をどう定義し発掘するか、等について活発な議論が行われました。尚、休眠預金の審議会には国内諮問委員会の小宮山委員長が審議会長として参画されています。

ソーシャルインパクトボンドについては日本財団社会的投資推進室の藤田氏より発表があり、経済産業省の支援を受けて今年度からスタートすることとなった神戸市の糖尿病性腎症重症化予防事業と八王子市のがん検診受診率向上事業の二件について事業内容が説明された。

社会的インパクト評価については日本ファインドレイジング協会の鴨崎氏より昨年の6月に設立された社会的インパクト評価イニシアチブ(SIMI)の活動を中心に報告がありました。SIMIは現在財団、NPO、企業、ファンド、行政等、約140の団体が加盟して日本で社会的インパクト評価を普及させていくための様々な活動を行っています。具体的に実践を広げていくための施策として教育、就労支援、地域・まちづくり、文化・芸術、環境教育、の領域で作成された社会的インパクト評価のツールセットについても紹介されました。


会合終了後は、会場内にて懇親会も開催され、参加者同士の交流や議論が続きました。次回の国内諮問委員会は11月に開催予定です。

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