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普及啓発
去る6月20日、European Investment Fund(EIF、欧州投資ファンド)のUli Grabenwater氏が来日され、GSG国内諮問委員会主催でランチセッションを開催致しました。
ランチセッションは昼食を食べながら非常にアットホームな雰囲気のもと行われました。
欧州ではインパクト投資の普及が日本以上に進んでおり、案件数、規模共に日本を凌駕しています。そんな欧州においてEIFはFund-of-Fundsとして成長を続けており、インパクト投資のマネージング等を手掛けるUli氏のお話は日本のインパクト投資が進むべき方向性を考えるきっかけを与えてくださいました。
Uli氏はランチセッションにおいて「Investing in a theory of change」から「Investing with a theory of change」への転換が必要であると主張しました。つまり、個別の社会的事業などが提示する社会課題解決のためのセオリー・オブ・チェンジにただ投資するのではなく、解決しなければいけない社会課題が先に存在し当該課題を解決するために投資を含めたセオリー・オブ・チェンジを投資家自身も参加して作り出す必要性があるということです。Uli氏の今回のランチセッションと通じて「社会課題解決のための思考フレームワーク」そのものについて深く考えるきっかけとなりました。
GSG国内諮問委員会では、このような社会的インパクト投資に係るセッション、セミナー等も開催しており、ご興味のある方は是非次の機会にご参加ください。
<Ulrich Grabenwarter氏プロフィール>
「Uli」の名で知られるUlrich Grabenwarter氏はEIFがヨーロッパ最大のFund-of-Fundsの投資プラットフォームとして成長する中、同ファンドのインパクト投資、テクノロジー移転、ベンチャーキャピタル領域の監督業務を行ってこられました。
2014年中ごろまではEIFの投資部門における戦略開発を担当され、当時ヨーロッパ初の社会的インパクト投資のFund-of-FundsとなるSocial Impact Acceleratorの設立に寄与し、同ファンドは後にEIFの主力投資業務と統合されることになります。
それ以前の2010年から2012年にかけては20か月にも及ぶインパクト投資研究をイエセ大学等と共同で行うなど研究者としての一面もお持ちです。
EIFに勤められる以前は欧州投資銀行や Coopers and Lybrand(現:PwC)においてコーポレートファイナンスやプロジェクトファイナンス、金融コンサルティング業務等に従事されていました。
現在はヨーロッパにおけるベンチャーキャピタル、インパクト投資分野の第一人者として活躍しておられます。
< European Investment Fund 概要>
EIFは欧州投資銀行グループの一部であり、金融商品の紹介・開発を通してヨーロッパ全土の小・中規模企業のファイナンスを支援している投資ファンドです。
欧州投資銀行のほか、EUやそのほか多数のプライベートバンクや金融機関などが株主を構成しており、同時に欧州投資銀行等から提供されるノウハウも生かし、業務を行っています。
その規模は大きく、およそ100万以上の小・中規模事業者がEIFが提供する有価証券等によって資金調達を行い、利益を上げています。