インパクト投資とは、財務的リターンと並行して、ポジティブで測定可能な社会的及び環境的インパクトを同時に生み出すことを意図する投資行動を指します。従来、投資は「リスク」と「リターン」という2つの軸により価値判断が下されてきました。これに「インパクト」という第3の軸を取り入れた投資、かつ、事業や活動の成果として生じる社会的・環境的な変化や効果を把握し、社会的なリターンと財務的なリターンの双方を両立させることを意図した投資を、インパクト投資と呼びます。
そして、インパクト・エコノミーとは、投資のみならず、ビジネス、消費、政府のすべての意思決定の中心でインパクトが考慮される経済を指します。喫緊のグローバル課題への対応のために、インパクト・エコノミーへの移行が重要です。
用語 | 定義 |
---|---|
インパクト | 事業や活動の結果として生じた、社会的・環境的な変化や効果(短期、長期問わない) |
インパクト評価 | インパクトを定量的・定性的に把握し、事業や活動について価値判断を加えること |
インパクト投資 | 財務的リターンと並行して、ポジティブで測定可能な社会的及び環境的インパクトを同時に生み出すことを意図する投資行動 |
(出典)「インパクト投資拡大に向けた提言書2019」(第2章 p.9)
(出典)「インパクト投資拡大に向けた提言書2019」(第2章 p.11)
インパクト投資の構成要素(key elements)は、次の4つにまとめられます。
具体的には、
という4つ
インパクト投資と一般的な投資や寄付、またESG投資には、どのような違いがあるでしょうか?この図は、インパクト投資の特徴を、一般的な投資や寄付、またESG投資との比較から位置付けることを試みたものです。
(出典)「インパクト投資拡大に向けた提言書2019」(第2章 p.12)
インパクト投資は、財務的リターンを目指すという意味で、寄付や補助金・助成、あるいはベンチャー・フィランソロピー等の活動とは一線を画します(図中のグレー部分/Impact Only)。また社会課題の解決に関心のない一般的な投資とも異なります(図中の紫色部分/Financial Only)。
では、ESG投資と比べてどのような特徴があるでしょうか。
インパクト投資は、ESG投資と同様、サステナビリティ(持続可能性)やレスポンシビリティ(責任・責務)の実現を目指します。また財務的リターンとの両立を目指します。その意味ではインパクト投資とESG投資は共通する基盤を持ちます。
一方で、特定の企業や業種に対する投資をESG
注1への「配慮」や「リスクの緩和」の観点から除外する投資・資金提供のスタイルや、ESGに関連する取り組みに積極的な企業や業種に投資・資金提供するスタイルに比べて、インパクト投資は「投資がもたらす社会面・環境面での課題解決」をより強く意図しています。このように、インパクト投資とESG投資は、共通する基盤をもちながらも異なる側面を有し、相互の実践に学びながら成長を続けていると言えます。
(※注1) ESGは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)を指します。
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