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2023年6月27日に国内諮問委員会第二二回会合が開催されました
開催レポート GSG-NAB会合

世界においてインパクト投資を推進するグローバルネットワークであるThe Global Steering Group for Impact Investment(GSG)の国内諮問委員会の第22回会合が、627日(火)に開催されました。


日 時: 2023627日(火) 15001700
会 場: 笹川平和財団・オンライン(ZOOM) ハイブリッド形式

1.審議事項


審議 1  委員の再任・新規就任及び新委員長・副委員長の選出
以下の委員についての再任・新規就任及び新委員長・副委員長の選出について、審議の上承認されました。任期は3年です。

(1) 既存委員の再任
既存委員は全員再任されました。

(2) 新規委員の就任
ユニファ株式会社取締役CFO インパクトスタートアップ協会代表理事 星直人氏

(3) 新委員長・新副委員長の選出
新委員長:シブサワ・アンド・カンパニー株式会社代表取締役 渋澤健氏
副委員長:認定特定非営利活動法人日本ファンドレイジング協会代表理事 鵜尾雅隆氏

2.報告事項


報告1 2022年度会計報告
本委員会事務局(SIIF)から、2022年度の会計報告を行いました。

報告2 委員・タスクフォースメンバー・賛同メンバー・事務局メンバーからの報告

  • 株式会社Zebras and Company 共同創業者兼代表取締役 陶山 祐司氏
    • 6月16日に閣議決定された2023年度「骨太の方針」および「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」において、地域におけるインパクト投資と地域課題解決企業(ゼブラ企業)を推進していくと明記されました。以前から、インパクト投資を中小企業や地方企業に広める動きはあり、インパクト評価のあり方や地域でのインパクト投資についての「プレ勉強会」を中小企業庁が行なっています。今後、金融庁が策定する「インパクト投資に関する基本的指針」を踏まえながら、地域課題を解決するような中小企業向けのインパクト評価・投資の指針の策定を目指し、正式な勉強会を実施する予定と聞いています。
  • りそなアセットマネジメント株式会社 責任投資部長 / インパクト志向金融宣言運営委員 松原 稔氏
    • インパクト志向金融宣言は、2021年の11月に21社が集まって始まった本取組ですが、今年1月にプログレスレポート2022を発刊しました。その際の署名機関数が38機関だったものの、直近の署名機関数は53と更に広がっています。賛同機関が増えた為、ガバナンスの整備に取り組んでおり、運営規定や中期計画を策定中です。
  • ライフイズテック株式会社 取締役CFO / インパクトスタートアップ協会代表理事 石川 孔明氏
    • インパクトスタートアップ協会の開始当時は正規会員は10社ほどでしたが、現在では50社近くまで正規会員が増加しました。入会希望の企業が多く、スクリーニングを慎重に実施しています。具体的な活動としては、今年5月末に第1回 アニュアルミーティングを開催し、150名弱が参加されました。具体的な活動の他、内閣府が発刊している「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」にインパクトスタートアップが明記されるなど、政治面からもインパクトスタートアップへの着目度が上がっていると実感しています。
  • 一般財団法人社会的インパクト・マネジメント・イニシアチブ(SIMI)代表理事 今田克司氏
    • 主に金融機関(ベンチャーキャピタルなど含む)の方々に向けたインパクトアナリスト研修が今年で2年目を迎え、2年目の基礎編が終了しました。昨年は20人の方に参加いただきましたが、今年は28人の方に参加いただきました。実践編は秋にて、米国のImpact Frontiersと共同で実施予定です。
  • 一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)インパクト・エコノミー・ラボ 所長 菅野文美氏
    • インパクトIPOの近況報告がありました。背景として、インパクト追求と企業価値の向上の関係性が上場市場において十分に理解されていない投資家側の課題があります。また、上場後にインパクトと事業成長の追求をどう伝えていけばいいのかノウハウが確立されていない企業側の課題もあります。インパクトIPOに係るワーキンググループの立ち上げにより、実務的な課題を一歩進めるため、ガイダンスを作成することを目指しています。
    • ワーキンググループに参加される委員の方の招待や参加企業の公募を進めて参りました。改めまして、主催がGSG国内諮問委員会、そして事務局がSIIFインパクト・エコノミー・ラボです。ワーキンググループの期間は2023年7月から11月、毎月1回程度のミーティングを想定しています。
    • メンバーの構成ですが、GSG国内諮問会の中からは白石智哉氏に座長を、黄春梅氏に副座長を、そして末吉光太郎氏に委員という形でご参加いただく予定です。そして、インパクトに関心のある上場・未上場の投資家や証券会社・監査法人にご参画いただく予定です。
    • 上記ワーキンググループに参加予定の企業はGSG国内諮問委員会のウェブサイトで公募した所、18社から申請があり、企業側のニーズを実感しました。選定基準は:(1) インパクト企業の定義に合致する (2) 本ワーキンググループに賛同いただける (3) 業界のバランスやIMMの取組情報など、最終的な意思決定は座長の白石氏に一任されます。
3.承認


GSGのAnnual Leadership Meetingが5月末にてイスタンブールで開催され、鵜尾雅隆氏、白石智哉氏、末吉光太郎氏がご参加されました。47カ国以上から150名以上、各国のエコシステムの代表者の方々が集まりました

  • 鵜尾雅隆氏の印象的な点・学びは:
    • 2030年までにインパクト投資が市場全体の10%まで成長するかどうか議論が白熱した。
    • アジアからはタイ、マレーシア、インドネシア、中国にてアドバイザリーボードが近年設立され、各国出身の参加者も見受けられた。
  • 末吉光太郎氏の印象的な点・学びは:
    • インパクト投資を市場全体の10%まで伸ばしていくための3つの原動力は価値観の変化、テクノロジー、透明性だと感じた。
    • 着目した議論は:気候変動への対応 (Just Transition)、データとアシュアランス、バリュエーション。
    • 0に向けて様々な取り組みがあった。例えば、アジアでは7NABが存在しており、インドネシアや中国でもNAB立ち上げの準備をしている。アジアの中で議論・協働が活発になると見込んでいる。
    • 海外のNABの人々はアドボカシーや政府機関との関係作りを活発的に行っており、国内でも力を入れるべきだと感じた。
  • 白石智哉氏の印象的な点・学びは:
    • インパクトIPOに密接に繋がっているテーマ(ディスクロージャー、アシュアランスやバリュエーション等)が議論された印象があり、世界各国の代表が意見を共有する場が素晴らしいと感じた。
    • GSGがこれだけ大きいコミュニティに成長したのかと感慨深さを感じた。

戦略ペーパーの承認

  • これまでの10年:
    • 休眠預金の法案すらない時代からNABが始まり、この10年はインパクト投資の認知を広げていくことが主な目的でした。その他にも、ガイドラインの作成や市場規模の算出、政府機関への働きかけなど様々な活動に従事しました。
  • 2025年4月からのNAB:
    • これまでの議論で共有された、NABの存在価値は:
      • ・多様性・包括性(資金提供側だけではなく様々なステークホルダーを巻き込む)
        ・中立性・正当性
        ・グローバル (我々がグローバルに貢献をする)
    • 今後の方向性は:
      • ・インパクト投資を超えてインパクトエコノミー(インパクト投資の潮流と企業のサステナビリティへの着目度の潮流が交わってきており、交点にNABがいられるのではないか)
        ・企業のサステナビリティ経営(スタートアップ含む)におけるインパクトのインテグレーション
        ・IMM実践からインパクト投資/イノベーション創出へ
        ・インパクト投資の認知を拡大する事が目的だった過去10年からインパクトエコノミーを実装していく次の10年になるのではないかと考えています。
    • 今まではNABだけがインパクト投資について発信する場所であったものの、インパクトスタートアップ協会や政府機関など現在は様々な取組が出現してきています。NABがその様々な活動のハブになれると良いという声が上がっています。
    • インパクトエコノミーを推進する多様なイニシアチブの連携共同のハブとなっていくというのが今後の方向性になります。
    • 今後、フェーズ2への移行に向けて、組織形態の検討と財務戦略の策定が一番大きなアジェンダです。

戦略ペーパーは承認されました。本日の議論を今後のワーキングペーパーに加えながら、議論を進化させていく流れとなります。

次回の開催は、2023年12月を予定しています。

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