最新情報
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GSG Impact Japanは、2024年度 プレ・シグチャープロジェクトの一環として実施した「インパクトと企業価値の接続」勉強会の成果物を、このたび公表いたします。
本勉強会は、インパクト創出が企業の収益性や企業価値の向上にどのように結びつくかというテーマについて、企業および投資家の双方が共通認識を深めることの重要性を背景に企画されました。国内外の先行研究を中心に理解を深め、日本の文脈に照らして議論を行うことを目的としています。
●開催期間:2024年8月~2025年3月
●形式:オンライン開催(全4回、各回120分)
●勉強会参加者:主に金融機関関係者を中心に約50名の登録があり、各セッション約30名程度が参加
●調査チーム
〇須藤奈応(Impact Frontiers)
〇今田克司(SIMI/代表理事)
〇白石智哉(GSG委員、フロネシス・パートナーズ株式会社/代表取締役、一般社団法人ソーシャル・インベストメント・パートナーズ/アドバイザー)
〇渡邉貴久(西村あさひ法律事務所・外国法共同事業/弁護士)
〇王寺沙織(みずほ証券、サステナビリティ推進部 )
2024年8月に調査チームを発足し、有識者からの助言も得ながら、約50本の文献をリストアップし、その中から10本を勉強会の題材として選定しました。各文献の要旨(Abstract)を精読し、テーマとの関連性や被引用数などを基に選定を行いました。
●勉強会で取り上げたペーパー一覧
1.ESG and financial performance: aggregated evidence from more than 2000 empirical studies(Journal of Sustainable Finance and Investment、2015)
2.Does sustainability generate better financial performance? review, meta-analysis, and propositions (Journal of Sustainable Finance and Investment、2023)
3.Foundations of ESG Investing: How ESG Affects Equity Valuation, Risk, and Performance (MSCI, 2019)
4.持続的成長性の可視化と株価に内包されたインパクトの定量化(野村證券 財界観測、2023)
5.インパクト測定の標準化と企業価値との関係性に関する定量分析(月刊資本市場2024.1、2024)
6.インパクト測定の標準化と企業価値の関係性ーエンゲージメントに資するインパクトの定量化ー(野村サステナビリティクオータリー、2024)
7.The risk and return of impact investing funds (Journal of Financial Economics, 2024)
8.インパクト創出と企業価値向上は両立するのか(金融庁金融研究センター, 2023年8月)
9.2024 National Research on Italian Benefit Corporations
10.New Frontiers in Value Creation (Tideline and Impact Capital Managers, 2024)
4回にわたるセッションは、各回、調査チームによる先行研究のサマリー紹介した後に研究成果をもとに参加者同士でディスカッションを行いました。以下の7点は、参加者間の意見及び各論文を取りまとめたリサーチチームメンバーの視点で得られた示唆を7つの視点でまとめました。
1.インパクトと企業価値との接続に関する実証分析・研究は発展途上
2.実証分析の意義と限界ー相関関係と因果関係
3.資本市場で一般的に使われるモデルを用いての分析は有用
4.モデル分析のインプットしての変数の議論
5.インパクトの企業価値への伝達経路に関する議論
6.インパクトのαとβの議論
7.企業のパーパスと価値創造
詳しくは、こちらの資料及び解説動画をご覧ください。
▼成果物のダウンロードはこちら
2024年度 プレ・シグネチャープロジェクト「インパクトと企業価値の接続勉強会で得られた示唆」
▼説明の動画はこちら(インパクト志向金融宣言)
https://youtu.be/5rAnViASZyY
今後、企業・投資家・研究者の皆様にとって、インパクトと企業価値の関係性を考える上での一助となることを期待しています。