調査研究

インパクト測定・マネジメントワーキンググループ（IMM WG)

日本国内のインパクト投資残高は急増をみせていますが、グローバルなインパクト投資市場においても、日本のインパクト投資市場においても、Impact Measurement and Management(IMM)手法の高度化が今後の課題としてあげられています。

このような背景を踏まえ、GSG Impact JAPAN National Partnerは、日本のインパクト投資家間でのIMMに関する共通理解を形成し、IMMの実践の質を高めるため、IMMワーキンググループ（WG）を設立しました。

2020年度は、ベンチャーキャピタル・資産運用会社・アセットオーナー計17社（オブザーバーを含む）など、未上場株式及び上場株式へのインパクト投資実務者を中心に、6回にわたって会合を重ね、IMMのグローバルな原則・フレームワーク・ツール及び海外・国内事例を共有し、IMMを実践する上での検討ポイントや課題と解決策を洗い出しました。

その成果として、「インパクト投資実践のためのインパクト測定・マネジメントに係る指針」、「IMM実践ガイドブック」、「IMMのグローバルスタンダード作りに向けたディスカッションペーパー〜日本からの考察」を策定し、今後、普及活動や実践を通じた内容のアップデートを続けていく予定です。

参加者のコメント

• 新生企業投資シニアディレクター　高塚 清佳　様

  本WGでは、国内外の実例を通じIMMの概観を試み、投資のフローに即して未上場・上場株式の各視点から改めて論点を整理した。
  その手法に唯一の正解はなく、WGにおける議論や成果物である「ガイドブック」が、今後、多様な投資家が各自のスタンスからインパクト投資に取り込んでいく際の設計のヒントとなっていくこと、そして、各投資家が刺激し合って質の高いインパクト投資が日本で拡大していくことに期待したい。

• ニッセイアセットマネジメント株式会社運用企画部チーフアナリスト　林 寿和　様

  インパクトの測定とマネジメント（IMM）に関するノウハウや方法論の体系化・標準化を目指すことは、インパクト投資活動にとって重要であるだけでなく、社会的責任投資・責任投資・ESG投資・サステナブル投資など、様々な言葉で表現される一連の投資活動が、持続可能な社会経済システムを支えるインフラとしてその役割を果たすうえでも重要なカギを握っていると考える。WGへの参加を通じて、実務の最前線にいる方々と議論ができたのは大変貴重な機会であった。今回の成果物を起点に、IMMのさらなる定着に向けて、実務の視点から議論が一層深まっていくことを期待している。

レポート

• 

  インパクト測定・マネジメントに係る指針

  IMM WGメンバー間で意⾒が⼀致した事項や特に強調されていた事項のうち、重要なものを指針として取りまとめたもの
  
  
  

• 

  インパクト投資におけるインパクト測定・マネジメント実践ガイドブック

  インパクト投資実務者が、IMMを実践するにあたり参考となるよう、重要な検討ポイントや課題と対応策について、海外・国内における現時点での実践知をまとめたもの
  
  

• 

  Discussion Paper

  日本におけるIMMをめぐる議論について英語で発信し国際的な議論へ貢献することを目的としたもの
  
  
  
  

• 

  IMM実践ガイドブック・指針の概要

  2021年4月に実施した、指針・ガイドブックに関する説明会資料（金融庁共催「インパクト投資に関する勉強会」参加者への説明）

• 

  Discussion Paperの概要

  2021年4月に実施した、ディスカッションペーパーに関する説明会資料（金融庁共催「インパクト投資に関する勉強会」参加者への説明）