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2018年6月1日に国内諮問委員会第十二回会合が笹川平和財団にて行われました
開催レポート GSG-NAB会合

2018年6月1日に国内諮問委員会第十二回会合が笹川平和財団にて行われました。

今回で十二回目となる会合では、まず初めに社会的投資推進財団常務理事の工藤から2月に実施された社会的インパクト投資フォーラム2018についての報告が行われました。同フォーラムではGSG会長を務めるロナルド・コーエン卿をはじめ数多くのスピーカーにご出席いただき大変充実したフォーラムになりました。コーエン卿は来日の際にフォーラムへの出席のみならず菅官房長官や法務省上川大臣などの閣僚級の方々をはじめとして、来日日程を通して政府・経済両界との有意義な情報交換、面談を行いました。

 続いて社会的投資推進財団の菅野から5月の20日~22日にロンドンで行われたGSG Mid Year Leadership Meetingについての報告がされました。同Meetingには日本の国内諮問委員会から日本ファンドレイジング協会代表理事の鵜尾委員と菅野が参加しました。2020年に向けてGSGとしてのビジョンの共有、レベル向上、各国で可能なアクションの明確化を目的として開催された同Meetingはその場で与えられたトピックについてそれぞれ議論を交わす形式で進行されました。特に日本に対する期待としては来年開催されるG20に向けて社会的インパクト投資をアジェンダとして採り入れること、アフリカやインド、南米で既に立ち上がっているようなDevelopment Impact Bondのアウトカムファンドをアジアでも設立できないか、等の声が聞かれました。

 上記のMid Year Leadership Meetingにおいて来年日本で開催されるG20の話題が採り上げられたことに関連して鵜尾委員からGSG国内諮問委員会においてG20ワーキンググループ(以下「WG」)の設立について報告と参加の呼びかけがなされました。上記のとおりGSG全体の動きとして来年に日本で行われるG20の共同宣言の中に社会課題解決のための社会的インパクト投資の重要性が明記されることを目指しています。そこで日本のGSG国内諮問委員会としても積極的かつ主体的に取り組んでいくため、WGが発足されました。WGについては既に第一回会合が行われており、WGとしての認識を共有し様々な業界が密に連携を取ることで目標達成を図ることを確認しました。

そして工藤より次回GSGがインド、ニューデリーにて10月に開催される旨の連絡がありました。

 次に2015年に『社会的インパクト投資の拡大に向けた提言書』において発表された7つの提言についての見直しが行われました。本提言は2015年に発表されたことから、それぞれ大きく進捗したものから未だに大きな課題がある提言などが併存しており今回の会合をきっかけに一度提言を見直し、場合によっては提言を策定し直すことを目的として行われました。「日本固有の社会課題についての取り組みが必要であり、日本にはどういった社会課題が存在するのかを研究する必要がある」との三菱総合研究所理事長の小宮山委員長からのご意見を基調とし、①社会的インパクト評価の浸透、②社会的事業の実施を容易にする法人制度や認証の在り方について特に多くのご意見を頂戴しました。
 ①社会的インパクト評価については2016年に発足した社会的インパクト評価イニシアチブ(SIMI)の活動を中心に普及が進んでいます。また、社会的インパクト評価は社会的インパクト投資分野だけではなく一般の営利事業などにおいても活用されうる可能性が指摘され、実際にインパクト評価実施の需要が高まっているとの意見がありました。社会的インパクト評価を実施することでエビデンスベースでの情報発信が可能となり企業ポリシーの創出にも寄与することが大いに期待されています。
 ②社会的事業の実施を容易にする法人制度や認証の在り方については、社会的投資減税制度の確立と共に考慮する必要があり国単位での法人制度の創設に限らず、米国のB-Corp制度のような民間における認証制度創設の可能性について意見が交わされました。

 最後に小宮山委員長からGSG国内諮問委員会が「ネットワークオブネットワークス」となる必要性が強調され、今後も社会的インパクト投資分野について総合的に議論が交わされる場であるためにWebsiteの拡充や各当事者間の連携が必要であることが確認され会合は終了致しました。

 会合終了後には懇親会が催され情報共有が盛んにおこなわれました。次回のGSG国内諮問委員会は11月の開催を予定しております。

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