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世界においてインパクト投資を推進するグローバルネットワークであるThe Global Steering Group for Impact Investment(GSG)の国内諮問委員会の第21回会合が、12月7日(水)に開催されました。
・三菱UFJフィナンシャル・グループチーフ・サステナビリティー・オフィサー銭谷美幸氏
2.報告事項
報告1 G7に向けたロビイング・GSG CEOクリフプライヤー氏来日(2022年11月)報告
GSG国内諮問委員会副委員長の鵜尾雅隆氏より、G7に向けた国内外の動向について共有がありました。第一に、GSGのCEOであるクリフプライヤー氏が11月に来日し、G7ファイナンストラックのアジェンダ設定に影響力を一定程度有する、金融庁幹部、財務省幹部と面談を行ったこと。面談においてプライヤーCEOより、2021年12月に発表されたインパクトタスクフォース(ITF)のレポートのうち、インパクト/非財務情報の透明性は成果が上がっているが、資金動員は必ずしも十分な成果が出ていないことから、来年のG7議長国である日本に期待するとの発言があったことについて共有がありました。第二に、GSG本部の2023年の重点分野について説明がありました。
報告2 インパクトIPOについて
事務局のSIIFのインパクト・エコノミー・ラボ所長の菅野文美、及び、インパクト・オフィサーの小崎亜依子より、資料に基づき、SIIFのインパクトIPOに関する検討会の企画内容について説明がありました。
出席者からは、インパクトIPOを実現させるには証券会社の理解醸成が必要、投資家が懸念するインパクトウォッシュにならないような一貫性のある開示の在り方を金融機関主導で確立していくべき、多様なインパクト投資家の賛同を得るためにどのような仕掛けが必要なのか検討するべき、インパクトが長期的に企業価値の向上に資することを証明するような検証・分析を行うと共に、企業価値の向上に繋がるインパクト要素の分析が必要であるなどの意見が出されました。
報告3 最近の動きについてメンバーから紹介
まず、一般財団法人社会的インパクト・マネジメント・イニシアチブ代表理事の今田克司氏より、米国の評価学会での発表についての報告、及び、同財団が2023年2月1~3日に開催予定の、Social Impact Day 2023の案内がありました。
次に、シブサワ・アンド・カンパニー株式会社代表取締役の渋澤健氏より、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)の動向などについて説明がありました。
続いて、株式会社みずほフィナンシャルグループサステナブルビジネス部 副部長の末吉光太郎氏より、同社の複数の部署がIMM能力の向上を目指して受講したSDGs Impact研修の概要、及び、研修で「経営」と「インパクト」の統合について理解を深めることができたとの所感の共有がありました。
続いて、公益財団法人笹川平和財団ジェンダーイノベーション事業グループ長の松野文香氏より、2023年1~3月に開催予定の、Global Gender Lens lnvesting Fellowship for Asia 2023の案内がありました。
最後に、新生企業投資株式会社インパクト投資チームシニアディレクターの高塚清佳氏より、金融庁が2022年10月に設置した「インパクト投資等に関する検討会」(高塚氏も検討会のメンバー)について、過去3回開催の会合の内容について簡単な紹介があり、また、多様な参加者がそれぞれの視点から、インパクトをどのように捉えているかという共有があったことが印象的であったとの報告がありました。さらに、2022年10月にインパクトスタートアップ協会が設立されたことについて共有がありました。
※「インパクト投資等に関する検討会」については、こちらをご覧ください。
3.議論:今後のGSG国内諮問委員会の在り方について
前回の第20回会合に引き続き、本会合でも、今後のGSG国内諮問委員会の在り方について議論を行いました。まず、GSG国内諮問委員会副委員長の鵜尾雅隆氏より、資料に基づきこれまでのGSG国内諮問委員会の成果や、事前に実施したGSG国内諮問委員へのヒアリング結果などの説明を行いました。その後、インパクト投資を取り巻く昨今の環境を踏まえ、これから本委員会が果たすべき役割や行っていくべき活動について参加者間で活発な議論が行われました。最終的に、本委員会の委員及び有志で構成されるタスクフォースを立ち上げ、今後のGSG国内諮問委員会の在り方を検討していくことが決まりました。
次回の開催は、2023年6月を予定しています。